「解答例」は本当に正しいか?

東大世界史の大論述は難しい。リード文を正確に読み取り、どこまで書くのかを自分で絞らなければならない。知識があるだけで書けるようなものではないことは、解いたことがある人間なら分かるはずである。そのような難しい問題に対し、市販の参考書の解答例は真正面からぶつかっているだろうか?答えはノーだ。年度にもよるが、一受験生が見ただけで題意に即していないとすぐに分かるような解答もある。

例をあげよう。2010年の問題はオランダの役割を書く問題だったが、ある予備校の解答例は「ネーデルラント共和国としてスペインから独立した。」ということだけでその部分を終わらせているのである。「役割」なのだから、経済的に打撃を与え、ひいては最盛期を迎えていたスペインの衰退の一因ともなったことを書くべきなのは受験生でも分かる。

私はこのように解答例に疑問を持つことが良くある。そのような疑問を持っている受験生も少なくないと思う。そこで、予備校各社の解答例を比較し、どれが最も題意に応えているか?なぜこの部分が解答に入っているか?と言った「解説」には書かれていない部分をまとめた上で、筆者なりに作り、優秀な学友と共に検討した回答例を提示する、という記事を作ることにした。

恐らく公開は筆者の受験終了後になるが、是非、参考にして頂きたい。