東大日本史について

開示得点で46点を取り、日本史の勉強法について聞かれることが多くなったので、記事を書くことにした。平凡ではあるが、それゆえに役に立つかもしれない内容になると思う。

まず、僕は社会科目の勉強が他の受験生に比べて大きく遅れていた。高2の2月の時点での河合のマーク模試では54点。社会は高3になってから始めようと考えていたので、勉強は全くしていなかった。3月のマークでも49点。5月の記述模試ではなんと、24点(偏差値36.4)6月の駿台全国模試でも28点。このころ、世界史の勉強に必死で、日本史に手が回っていなかったのである。流石にまずいと思い、教科書の古代の部分を読み、7月の終わりになることに受けたマーク模試では、62点。だが、東大実戦模試では、古代すら点が取れず、なんと5点。それ以降、本格的に日本史の勉強を開始した。

それまでは教科書を読んでいただけだったが、まずはスタディサプリの通史の映像授業を受講して通史を進めつつ、後期からとることにした駿台の授業で実戦力を養った。駿台の授業の内容としては、テキストの東大や東大実戦の問題などを予習していき、解説を聞き、その答案を授業中に配布される採点基準をもとにして交換して採点するというものだった。予習の際には参考書や教科書を参照しつつ答案を作った。交換採点を通して分かったのが、受験生は知識に重きを置きがちだという点と、問題の要求にしっかりと応じようという意識が足りていないこと、そして日本語力が足りていないことである。正直な話、僕が交換採点で見た答案で、僕がもし採点者なら点をほとんど与えないが、「要素採点」であるがゆえに仕方なく点数を与えたという答案が多くあった。模試では良い点が取れていたのに、本試験では取れなかったという人は、これらの点に留意して再度自分の答案を見直してみることを勧める。東大は、確実に要素に機械的に加点する採点などしていないことを肝に銘じてほしい。自分には、元からの才能かどうかはわからないが、教科書を見さえすれば、日本語力や題意の取り間違えをすることはあまりなかったので、そこに関しては何も言えない。

また、自分の答案を客観的に見てもらう機会はとても役に立ったので、人に自分の答案を見てもらう機会を作ることを勧める。それこそ、友達でもTwitterに挙げるのでもよいと思う。

授業で扱う問題は時代順であったので、映像で習ったことがすぐに論述でどのように出題されるかがわかったところが、このやり方の良いところだったように思う。

こうして勉強を進め、まだ近代の通史はノータッチだったものの、11月の冠模試では実戦では1問空欄で25点、オープンでは33点を取ることができた。通史は結局、12月中盤までかかってようやくおわらせた。そのあと、二次試験にあまりでないためほぼノータッチだった文化史を詰めるのにセンター前までの時間を使い、センターでは94点。

センター後には、駿台の直前講習で30問以上の東大実戦の問題を解いたが、あまり意味はなかったと思う。なぜなら、駿台は、基本的に問題の答えを無理やり教科書の知識と結び付けて解こうとする傾向があり、模試はそのロジックに従って作られているからである。つまり、青本の解答は当てにならない。そこで、僕は以前から良いと聞いていた塚原先生が執筆された赤本27ヵ年を参考にすることにした。実際、赤本は東大日本史において重要な、資料は必ず1回ずつは使うということを意識していたり、知識ではなく資料を中心になるべく多くを読み取ろうという姿勢を貫いており、とても参考になった。だが、高度すぎて受験生には書けないような解答もあるので、それが書けなくても気を落とさずに。とはいえ、あまり多くの年度を解く時間もなく、2012-2017を解いておわってしまった。青本の解答は、赤本や自分の解答と比べて添削した。こういう答案は書かないようにしようという反面教師的な利用法はありだと思う。

東大の大学院で日本史を専攻していた学校の教師が作問者から聞いた話によると、東大日本史において、教授がさせようとしていることは、「大学における歴史学の一歩」らしい。資料をしっかりと読解し、それを抽象し、うまくまとめることが求められているのである。そしてもちろん、答えは一つではない。

箇条書きで答案作成の際のポイントまとめておく。1.聞かれていること以外を答えない2.自分の知識が求められているのではなく、資料に基づいて考えることが重要であること意識する。3.知識問題もあるので、それをしっかり見極める。だが、知識問題に答える時も、題意に沿った回答をする。4.使わない資料はないと考えて資料文を読む。5.日本語が壊れないように注意。6.普段の練習時に1問15分弱で解く練習をしておくこと。

以上です。質問があればTwitterの方へどうぞ。拙い文章をここまでお読みいただきありがとうございました。